2019 ジョブチャレンジU-15 を振り返って
今年も3人のインターンが10/7〜11の5日間一緒に働いてくれました。2017年に初めて参加させていただいてから3年目、毎年どんなふうに迎え入れようかと事前に話し合うのですが、今年は以下の3点を考慮に入れながらスケジュールを立てました。
1、協力して一つのものを作り上げる喜びを知ってもらう。
2、地域社会との繋がりを意識して働く。
3、グローバル社会で働くということを実感してもらう。
それぞれの点に関して振り返ってみたいと思います。
1、協力して一つのものを作り上げる喜びを知ってもらう。
今年のインターンたちの主な仕事は3つありました。一つは結出小学校でのレッスン。二つ目はロビーに飾るUCS Bulletin Board(掲示板)の作成。最後はメインの仕事「中学生の目線で作った宇和島ガイドマップ」の作成です。
結論から言うと、小学校でのレッスンのための準備も練習も真剣に取り組み、その結果良いレッスンが提供できたと思います。そして掲示板も苦労しながらも完成させて、興味深いものができました。ただメインの仕事であるマップは残念ながら完成に至らなかったのですが、土台となるものを作り次回のインターンたちへ繋ぐことになりました。
彼らにとってあまり興味のないことに関して何かを作るのは難しいことかもしれませんが、完成したものだけが大事なのではなく、その過程で話し合い協力し合うことを学んで欲しいと思い毎年何かを作ってもらいます。
まず完成形を共有することが鍵ですが、予定していたものが仕上がらなかった理由はもしかしたら、私たちからのその説明が十分ではなかったかもしれないと反省しています。
初年度はメニューの英訳、昨年はクリニックでの受け付けマニュアル、今年はガイドマップと、段々と創造力を必要とする課題になっていきました。完成形をどうするかということも出来るだけ私たちの意見を控えて彼らの独創性に任せていますが、もう少し上手く導いてあげることができたのではないか、と今でも悔やんでいます。次回への私たちの課題となりました。
2、地域社会との繋がりを意識して働く。
予定としては出来上がったマップを持って、きさいや広場や観光協会などへ出向きセールスするつもりでした。今までは最終日に自分たちの仕事を持って外へ出て、地域の誰かに「ありがとう」と言ってもらえて喜びを感じてもらえていたのですが、今回はその体験をさせてあげることができなかったのは私たちの力不足であったと反省しています。ですが、結出小学校でのレッスンで小学生たちに触れ合い、楽しんでもらえたことはきっといい経験であったと信じています。
3、グローバル社会で働くということを実感してもらう。
今回初の試みで、海外で活躍する地元出身者にインタビューをしました。これは彼らにとっても非常に興味深いことだったようで、良い刺激をいただいたようです。毎日書いてもらった業務日誌にも、「いろんなことに興味を持っていきたい」や、「お金のためだけではない、自分のやりたいことを見つけたいと思いました」などの意見がありました。また、宇和島在住のアメリカ人の方にインタビューをしたり、キミー先生自身の経験を聞いたりと、海外との接点を常に感じるという点では合格点だったと思います。
「実際、あなたたちが仕事を始める頃には同僚が外国人であることはごく普通のことになりますよ」と話すと少し感じるものはあったようです。今すでに外国人が多く働いている都会と違い、まだ宇和島では実感がないかもしれませんが、これから少しずつ外に出て行く過程で、よりグローバル化を感じることでしょう。少なくともそのファーストステップにはなったと思います。
最後に
今年で3年目となったジョブチャレンジですが、毎年私たち自身が色々と勉強させていただいています。
インターンと言えども相手は中学生だから普段の仕事をそのまま見せるだけではつまらないだろうし、かと言って普段と違う楽しいことばかりやるのは本当の姿ではないし・・・。仕事ってのは楽しい事ばかりじゃないんだっていう現実を見せるべきなのか。作業に関しても、どこまで厳しく追い込むべきか、もっと自由な発想を期待して自分たちで気がつくまで待つべきか、そうしていると5日間なんてすぐ過ぎちゃうし・・・。葛藤です。
そこのところを良い塩梅でプランを立てるのが私たちの仕事であり勉強になっています。そして若いパワーや感性を目の当たりにできて、職場に新しい風が吹きます。さらに何と言っても、理屈なしに若者と時間を過ごすのは楽しいです!
業務日誌の最後には、「この1週間で学んだことをこれからに活かしていきたい」とか、「勉強ができればなんでもできると思っていたけど違う。効率、気づき、コミュニケーションが大事だとわかった」などの意見がありました。ほんの少しでも彼らの職業選択やこれからの人生のヒントになることがあったのなら嬉しいです。
今回はオランダ在住の萩森さんや、宇和島大好きスティーブさん、結出小学校の皆さんに協力して頂いてプランが完成しました。地域のために何か出来ることをしたいと思って手を挙げたジョブチャレンジですが、結局は私たちがこうやって地域の皆さんにお世話になることで完成した1週間でした。人と人との繋がりを改めて感じます。皆さまありがとうございました!